(C)ホテルグランフェニックス奥志賀
厳しい暑さに加えてマスク生活と、我慢が続くコロナ禍の夏。「胸躍る季節だというのに、なんだかパッとしない」と悩んでいる方も多いのでは? 長野県・奥志賀高原に位置する「ホテルグランフェニックス奥志賀」では、そんなコロナ禍特有の閉塞感を、スカッと一掃するような滞在が叶います。
「ホテルグランフェニックス奥志賀」へのアクセスは、長野駅からの無料送迎もありますが、その場合ホテル到着が16時になってしまうため、今回は、お昼に到着できる方法で向かいました。
長野駅・東口バスの乗り場から、10:15発の「急行 志賀高原線」に乗り、「志賀高原山の駅」で下車。そこから、ホテルの送迎車に乗り換え、ホテルには11:50に到着します。長野駅から志賀高原山の駅までは、1,800円ほど運賃がかかりますが、その分、たっぷりとホテル滞在が楽しめます。
標高1500m、大自然に囲まれ天然素材を贅沢に使用した外観のホテルは、まるで海外旅行に来たかのような雰囲気。重厚感がありながらも、ぬくもりを感じます。
ホテルフロントも、山小屋のような可愛らしさ。旅の気分が一気に盛り上がります。
チェックインは16時なので、まずは腹ごしらえといきましょう。ホテルのレストランは、イタリアンの「ラ・ステラ・アルピーナ」、日本・中華料理の「篝火」の2店舗があります。
何を食べるか悩んだ結果「篝火」の人気メニュー「海鮮と季節野菜のあんかけ焼きそば」をいただくことに。麺がみえないほどのたっぷりな具材に驚き。さらには、肉厚で食べごたえあるサイズ感の海鮮はとても贅沢です。ホタテ、エビ、イカ、ホッキ貝、その食感はどれもやわらかく、海鮮の旨みが口いっぱいに広がります。
一方、イタリアンレストラン「ラ・ステラ・アルピーナ」のランチメニューは、「牛タンシチュー」が人気なのだとか。なんと48時間も煮込んでいるそうで、こちらも見逃せません。
お腹もいっぱいになったところで、ホテル内の施設へと移動します。早めに到着したのはこのため。奥志賀の景色を眺めながら楽しめる施設が数々あるのです。

(C)ホテルグランフェニックス奥志賀
まずは、温水プール&ジャグジー。さらに、新たな癒やしの空間として、「ロウリュウサウナ」が導入されましした。

(C)ホテルグランフェニックス奥志賀
この「ロウリュウサウナ」では、水着を着用するため、男女一緒に楽しむことができます。これは、日本ではまだ珍しいスタイルなのだとか。温度80度、湿度30%前後に保たれたサウナでは、全身から汗が出てスッキリ。

(C)ホテルグランフェニックス奥志賀
また、サウナ後の楽しみ方にも「グランフェニックス奥志賀」らしさが光ります。
ガーデンテラスが整備してあるため、景色と澄んだ空気をしっかりと感じながら外気浴を楽しむことができます。なんと冬には、サウナで火照った身体のまま雪にダイブすることもできるのだとか!

(C)ホテルグランフェニックス奥志賀
また、15時からは「展望大浴場」への入浴も可能です。大きな窓からは、どこまでも続く山々を望み、開放感たっぷり。うれしいのは、併設されたサウナにも大きな窓があり、景色を楽しみながら汗をかくことができます。

(C)ホテルグランフェニックス奥志賀
さらには、「空中露天風呂」と名付けられた露天風呂もあり、その名のとおりロマンチック。新緑の美しさはもちろん、夜には満点の星空を楽しむことができます。
大浴場のお湯は温泉ではありませんが、その理由も、自然に囲まれた「グランフェニックス奥志賀」ならでは。奥志賀渓谷にはイワナの原種が生息しており、それらを守るため温泉水を川に排出することができないのだとか。そのためあえて温泉にはせず、世界中の鉱石を吟味し、天然温泉で例えると“ラジウム泉”に近い湯質を再現しているそう。
心地よい温度のお湯には、ゆっくりと浸かることができ、身体をじっくりと温めてくれます。湯あたりもやわらかく、リウマチ、腰痛、肩こり、冷え症、疲労回復といった、温泉に負けない効能を感じることができます。
そうこうしているうちに、チェックイン時間がやってきたため、さっそく客室へ移動します。本日のお部屋は「スタンダードツイン」。ホテル内でも最もベーシックなお部屋でありながら、42㎡とかなりの広さ。
クローゼットもたっぷりと収納できるので、大きなカバンやキャリーケースなど、大きな荷物はすべてしまうことができます。おかげで客室内はスッキリ。くつろぎの空間が広がります。

窓から外を覗けば、目の前には木と山と空だけという都会ではありえない景色がどこまでも続きます。バルコニーに出て爽やかな風に当たりながら、ただただ美しい緑を眺めるといった贅沢な楽しみ方も。
客室内には、テーブルもあるので、ワーケーションの滞在にもピッタリです。また、天然木をふんだんに使用したという内装や個性的なシーツなどは、部屋に入るたびに、胸をときめかせてくれます。

バスルームもとても広く、過ごしやすい工夫が詰まっていました。仲間同士の旅の場合、ひとりが入浴したらそのまま占領されてしまいがちですが、シャワーカーテンではなくきちんと扉がついているので、横で歯を磨いたりドライヤーを使ったりと、入浴後のケアも同時進行することができます。
また、洗面台も2つあるので、忙しい朝の時間も自分のタイミングで支度することができます。“順番を待つ”という旅の小さなストレスも解消です。

歯ブラシ、カミソリ、ヘアブラシなどはキュートなパッケージ。そして、ホテルこだわりのシャンプーやヘアトリートメント、ボディソープは、天然成分を配合しており、心癒す香りです。肌触りのよいバスローブはクローゼットに。パジャマの貸出もあり、好みで選べるのもうれしいポイントです。
客室はもちろん、ホテル全体を見渡しても掃除が行き届いており、清潔感があります。しかし、一番気になるのは新型コロナウイルス感染拡大予防の対策。今回、ホテルの至るところでひとつ先行く取り組みを確認することができました。
ホテル入口には非接触の検温器と、消毒用アルコールが設置してあるのはもちろんのこと、チェックイン時に配布されるマスクケースにはじまり、客室には除菌用アルコールボトルの設置、リモコンはすでに除菌済と、安心感が漂います。
さらには、各客室では、除菌ができるLEDライトなるものも! 客室内だけではなく、自分のマスクや携帯電話なども除菌することができます。
また、手を洗う機会が多い今、バスタオルやフェイスタオルのほか、ハンドタオルも用意されており、このような気配りにも感動したのでした。
「グランフェニックス奥志賀」では、充実した施設に加え、奥志賀の大自然をより身近に感じることができるアクティビティも多彩に用意されています。今回、その素晴らしさを実際に体感すべく、3つのアクティビティに参加してみました。まずは、「森林ヨガ」です。
遮るものが何もない環境でのヨガは、本当に気持ちがよく午前中の旅の疲れがスッと癒えていきます。「靴下を脱いで足の指で芝生をちぎってみましょう」と、自然を活かしたレッスンが続きます。
ところが、残念ながら途中で雨が降ってしまい、室内への移動することに。その移動先はなんと「ロイヤルスイート」。なかなか宿泊することができない部屋でのヨガという貴重な体験となりました。
身体の機能や呼吸を意識し、頭をからっぽにすることができるヨガと奥志賀の相性は抜群。コロコロと変わる山の天気や雨音までも大切に感じる約45分間となり、初心者でも和気あいあいと楽しめる内容でした。
運動したあとに楽しみなのは、やはり食事。夕食は、イタリアンのディナーコースをいただいてきました。
レストランの窓もとても大きく、食事とともに景色もしっかり楽しむことができます。
少し待っていると、大きなワゴンが回ってきました。こちらはなんと前菜。この中から好みの5種類を選ぶことができるのです!
目の前で前菜をセットしてくれるため、楽しみも倍増。またこの生ハムの迫力にも驚きです。

ワインは、地元・長野県中野市の「たかやしろワイナリー」のシャルドネをチョイス。爽やかな香りと程よい辛さ、そして、フレッシュな味わいが広がります。
生ハムやローストビーフやカルパッチョなど、どれもおいしく、ワインとともに贅沢な時間がゆったりと流れていきます。
続けて、「手長海老と浅利のスパゲッティーニ」が運ばれてきました。プリプリ食感の海老とあさりの旨み、そしてガーリックの風味がよく絡み合います。
続いて運ばれてきたのは、「オマール海老のローストフレッシュトマトとホワイトアスパラガス添え」。海老の弾けるような食感はもちろん、ギュッとつまった旨みに、思わず声が出てしまうほどのおいしさ。ホワイトアスパラガスにも、旨みがしっかり染み込んでいます。さらには、チコリーの独特な苦味もアクセントとなり、食べるたびに頬がゆるみます。
そしてお肉メニューは、「黒毛和牛ヒレ肉とフォアグラの重ね焼き」。と。驚くほど柔らかくさっぱりとした味わいの黒毛和牛とともに、濃厚でふわふわととろけるフォアグラが重なりあい、こちらも絶品です。
最後には可愛らしいドルチェが。「杏のタルト」、「ティラミス」、「カスタードプリン」をハーブティーとともにいただきました。
なかなか飲食店にも行きにくく、「おいしいもの食べたいなぁ」と漠然と思うことが多い今、求めていた“おいしいもの”がたっぷりと詰まっており、大満足でレストランを後にしました。また、食事中もこまめに窓を開けて換気をしてくれるため、安心して過ごすことができました。

(C)ホテルグランフェニックス奥志賀
食事が終わっても、まだまだ楽しみは続きます。2つ目に参加したアクティビティは、「石の湯ゲンジホタル鑑賞」。そうです、ゲンジボタルを見ることができるのです。志賀高原のゲンジボタルは、標高の高い生息地・成虫の発生期間・幼虫の上陸期間が日本一。明滅周期も長く、ゆらゆらと揺れる幻想的な風景をじっくりと楽しむことができます。ゲンジボタルに会うためには、真っ暗な道を進んでいきますが、ガイドさんがいるため安心。キレイに見えるポイントと解説も聞くことができ、時間を忘れるほど魅入ってしまいます。さらには、星の輝きも美しいので、夜空を見上げることもお忘れなく。20時にロビーを出発し、戻りは22時。存分に奥志賀の自然を満喫した一日となりました。
朝の訪れは、可愛らしい鳥の鳴き声とともに自然と目覚めます。「今日の天気はどうか」「朝の景色はどんな感じなのか」と、寝起きで窓の外を確認してしまう、そんな爽快な朝を迎えました。
朝7:00からは、「早朝ヨガ」を楽しむことも。昨日、雨に打たれてしまいましたが、今回は眩しいほどの晴天。贅沢な環境の中、清々しい朝の空気を吸い込みながら身体を動かすことができます。日中のヨガとはまた少し違って、一日のスタートにふさわしい内容。小鳥の鳴き声を聞きながら、また新しい一日が始まります。
朝食は、和食か洋食が選べますが、今回は、洋食をチョイス。卵料理とパン、サラダ、フルーツやヨーグルトなど盛りだくさんな内容です。
卵料理は、「スクランブルエッグ、プレーンオムレツ、目玉焼き」の3種類から、付け合せは、「エーコン、ロースハム、ソーセージ」の中から選ぶことができ、「プレーンオムレツとソーセージ」をチョイスしました。
ドリンクはセルフサービスとなっており、牛乳やジュース、コーヒー紅茶と種類は豊富で、アップルジュースは、信州・山ノ内産です。
色々と飲みたいところですが、コロナ禍の今、あれこれ触れることに抵抗があります。しかし、ここでもコロナ対策がしっかりとされているのです。
なんと、手袋の装着も非接触。センサーに手を添えると手袋の入り口に空気が送り込まれ、どこにも触れることなく手袋を装着することができるのです。パンなど、直接手に取って食べる朝食だからこそ、この対策はかなりありがたく、安心して何度も飲み物を楽しむことができました。
チェックアウトは12時。最後の最後まで楽しめるのも、「グランフェニックス奥志賀」ならでは。ここまで来たのであれば、やはり体験したいのが奥志賀渓谷の「トレッキング」です。3つ目のアクティビティです。ベテランガイドさんが細かく案内してくれるため、興味深い時間を過ごすことができます。
「トレッキング」は、9:00〜11:30、13:00〜15:30の2回あり、午前中は朝食後の散歩としてもピッタリ。また、シューズやポールなどレンタルが可能なので、手ぶらでも安心です。
イワナの原生種が多く生息する雑魚川に沿って広がる奥志賀渓谷は、1500万年前に海底が隆起してできた「グリーンタフ」と呼ばれる緑色凝灰岩や、大滝(おおぜん)、三段滝、ハーモニカの滝と、見どころが満載。
このブナの木についている傷は、なんと熊がひっかいたものだとか。都会に住む筆者にとってはかなり衝撃的でしたが、こういった気づきや説明もガイドさんがいてこそ。
そして、ブナの原生林の中をゆっくりと歩いて進むため、初心者でも問題なく楽しめ、癒やし効果も抜群です。人と距離を保ちながら、少しだけマスクを外し深呼吸すれば、その澄んだ空気が体内に巡り、浄化されるような気分になります。
崖を降りて、川の中に足を入れその冷たさを確かめてみたり、笹舟を流してみたりと、都心では絶対にできない大自然の素晴らしさをしっかりと確認することができました。
このほか、「シビエ体験プログラム」や、「星空バー」、「星空鑑賞会」など、珍しいアクティビティやホテル内でのイベントもたくさんあるので、滞在中は何かに参加することをオススメします。ホテル内のスタッフさんやガイドさんがとても気さくなので、ひとり旅でも安心して楽しむことができます。
美しい景色と澄んだ空気、そしておいしい食事と、我慢が続く毎日に奥志賀からご褒美をもらったような滞在となったのでした。
ホテルグランフェニックス奥志賀
住所:長野県下高井郡山ノ内町奥志賀高原
電話:0269-34-3611(9:00~21:00)
チェックイン 16:00 / チェックアウト 12:00
HP:https://www.hotelgrandphenix.co.jp/
■森林ヨガ/早朝ヨガ:1,500円
■トレッキング:2,500円
■石の湯ゲンジホタル鑑賞(7月下旬まで※ホタルの発生状況により):1,100円