【カンロ2021年はグミの販売が好調】「Kanro Vision 2030」 達成にむけ、中期経営計画・新コーポレートロゴ・パーパスも発表

カンロ飴やピュレグミなどでおなじみのカンロ株式会社は2022年2月10日(木)に「2021年決算および中期経営計画2024発表会」を実施しました。今年創業110周年の節目を迎える老舗企業の業績、あわせて発表された中期経営計画や、新コーポレートロゴ、新たに策定された「パーパス」にも注目です。

2021年度はグミが業績をけん引

カンロは飴やグミを中心に多岐にわたるお菓子を販売していますが、今回の決算ではグミの販売金額が104億6千万円と前年比39.0%増となりました。特にお馴染みのピュレグミやSNSでも話題になったマロッシュの売上が好調で、2021年度の業績をけん引しました。コロナ禍で飴など他カテゴリーの販売金額が減少する中でも、全体の売上高は256億6千万円と10.0%増となっているので、グミの貢献度の高さが伺えますね。当期純利益は8億8千万円で前年比44.5%の大幅増となっています。

2022年度は売上高4.7%増の226億円、当期純利益は6.7%減の8億2千万円を計画していることがあわせて発表されました。

中期経営計画2024のカギは「グローバル」&「ESG」

また、2021年に定めた「Kanro Vision 2030」の実現に向けた中期経営計画2024も発表されました。飴やグミなどのコア事業やKANRO POCKeTなどデジタルコマース事業、輸出・輸入などのグローバル事業、先日発表されたキャンディストローなどのフューチャーデザイン事業を主軸に、イノベーションによる価値創造を図っていくようです。

なかでもグローバル事業では、海外専用商品や国内外統一規格商品の開発、既存注力エリアである中華圏での取引深耕などに加えて、グローバル人財の育成などにも注力する計画です。

ESG経営にも一層注力し、ダイバーシティ&インクルージョンの推進とガバナンスの強化を軸に人財・組織等に関する取り組みも実施されます。

2030年の最終的な財務目標としては、年平均成長率5%以上を目標に売上高500億円、営業利益率は9%以上を計画していると発表しました。

「人と社会の持続可能な未来に貢献する」パーパスドリブン企業へ

また、「Kanro Vision 2030」の実現を盤石にするため、キャンディ市場の未来を創造していくためのパーパス「Sweeten the Future 心がひとつぶ、大きくなる。」を策定。「Sweeten the Future」は、もともと2017年に策定されたコーポレートメッセージ「糖から未来をつくる。」の英語版でしたが、”Sweeten”をより広く考え、”未来を明るくポジティブに”としたときに、現在の事業領域だけでなく周辺の事業も網羅することができるとしこのメッセージに決定したそうです。

パーパスの策定に伴って企業ロゴも変更。これからは既存の飴やグミ事業だけでなく「人と社会の持続可能な未来に貢献する」パーパスドリブン企業として期待が高まります。

2022年のキーワードは「Z世代ターゲット」&「プラントベース」に注目

「Sweeten the Future 心がひとつぶ、大きくなる。」を掲げた初年度2022年にまず打ち出すのがZ世代に向けて開発された「EMOTIONAL CANDY」です。ライフスタイルストア「PLAZA」や専修大学との協業・ヒアリングを通して飴の購入が少ない若い世代をターゲットに、新たなユーザーの獲得を目指します。

一方で、企業の環境への配慮がより求められるなか、植物性の食材由来である「プラントベース」商品の開発も一層本格着手。2020年に看板商品であるカンロ飴がヴィーガン認証を取得しましたが、2022年3月には豆乳を原料とした「植物ミルクのやさしいキャンディ、やさミル」の発売や、廃棄素材の活用・サステナブル素材を活用した商品などを展開するヒトツブカンロエコラインの本格稼働も予定されています。

他にもESG経営の取り組みとして、財務戦略としてキャンディ業界初の「ESG/SDGs評価※」に基づく「コミットメントライン・シンジケート・ローン契約」を締結したほか、サステナビリティ委員会のについても設置していく予定とのこと。今後の動きに注目したいところです。

コロナ禍においてもたくさんの魅力的な商品を打ち出して私たちを楽しませてくれているカンロ。創業110年目を迎える2022年も新商品や新たな施策に目が離せませんね。