春の新生活スタート!横行するネット犯罪の被害者にならないために、やっておくべき5つのポイント

ネット犯罪増加の勢いは留まるところを知らないにもかかわらず、日本人の危機意識はかなり低く、どこか“遠い出来事”のように思っている人は少なくないとセキュリティソフト「ノートン」を開発、販売する株式会社シマンテックの古谷尋氏は指摘する。

「弊社が発行している世界20ヶ国における消費者意識調査「ノートン サイバーセキュリティ インサイト レポート」によると、日本においては、2016年に1600万人、2017年には1774万人の方々が、詐欺メール、ウイルス感染、カード情報の盗難など、何らかの被害にあっているという現状があります。金額にすると、約2300億円もの損害が生じているのですから、もはや私たちにとっても、“身近な脅威”となっているのは間違いありません」

どうして、“自分ごと”として受け止めることができないのだろうか。その理由はいくつかあるという。

「自分はネットバンキングも使ったことはなし、ネット通販も使用したことはないから、自分は大丈夫だろうと高をくくっていらっしゃる方が多いようです。そういう方ほど、自宅のパソコンには、重要なデータは一切入れていないとおっしゃるのですが、そこにひとつの盲点があります」

その“盲点”はずばり、大切な友人のメールアドレスだという。確かに、知人の連絡先をパソコンに登録していないという人は、ほとんどいない。

「不幸にもウイルスに感染したパソコンが踏み台にされて、アドレス帳に登録されているご友人に迷惑が掛かる可能性があります。アドレスが乗っ取られ、ご自身のアドレスから友人へ、なりすましメールが飛ぶようになってしまいます」

そのまま怪しいサイトに誘導され、実際に経済的な被害を与えてしまったとしたら…、大切な友人との人間関係すら崩壊しかねない。

「一方で、危険があることは理解しつつも、具体的にどのように対策したらよいのか?わからないという方が多いのも事実。特にスマートフォンを使用されている皆さんの中には、スマホ用のセキュリティソフトが存在することすらご存じない方もいらっしゃいます」

それぞれのキャリアが無料のセキュリティアプリを提供しているが、それをインストールするユーザーはまだまだ少ないのが実情。iPhoneはOSの構造上、ハッキングがされづらいといわれているからまだしも、Androidはかなり危険性が高いと古谷氏は指摘する。

「特にガラケーからスマホに移行した方ほど自分のスマホがウイルスの脅威にさらされているという認識が低い。ガラケーはキャリア側でウイルスを止めていましたが、スマートフォンになってからはキャリアのネットワークではなく、Wi-Fiを使用するようになり脅威にさらされるようになった。それにもかかわらず、いつまでも消費者のマインドは“キャリアが何とかしてくれる”という他力本願的なもののままでいることに起因していると思われます」

また、パソコンの場合には、購入時にプリインストールされているウイルス対策ソフトを、そのまま使用しているから大丈夫だと考えているユーザーもいるというが、実はソフトが古ければ古いほど、ウイルス感染の可能性が高まる恐れがあるという。

「セキュリティソフトに限らず、どのようなソフトであってもそうですが、100%完ぺきなものなどなく、どこかに脆弱性と呼ばれる“ほころび”のようなものが存在します。古いソフトほど、その“ほころび”が多くなり、ハッキングがされやすくなります」

便利なフリーWi-Fiにも大きな危険がはらんでいるという。

「不特定多数が利用するフリーWi-Fiは、誰もが自由に使用できるように、あえてセキュリティをかけていません。暗号化されていないので、少しスキルのある技術者であれば、簡単にハッキングができてしまいます。仮に、フリーWi-Fiによる接続環境下で、ネットバンキングなどを使用したら、IDやパスワードまですべてキャッチされてしまう恐れがあります」

ハッキングされたら、悪意のあるサイトまで誘導されてしまう可能性もある。例えば、通常利用しているショッピングサイトの偽のログイン画面に誘導され、IDやパスワードを入力して商品をカード払いで購入するとする。入力したIDやパスワード、カード情報を持っていかれて、当然商品は届かないという恐れだってあるのだ。

「私たちは、こういった被害の実例を具体的にユーザーにお伝えすることで、“身近な危険”として受け入れていただけるような、そんな啓蒙活動をこれからも地道に続けてまいります」

最後に、古谷さんから、横行するネット犯罪の被害者にならないために、やっておくべき5つのポイントについてお聞きした。

「まずは、アプリやOSを最新の状態にしておくこと。少しでも“ほころび”を少なくするということです。ボタンをひとつ押すだけです自動更新されますかから、面倒くさがらずにアップデートを実行してください。そして色々なサイトで使用するID、パスワードをバラバラにしておくことも重要です。決してひとつのIDやパスワードを使いまわさないようにしてください」

とはいえ、複数のIDを管理するのは正直いって、いささかハードルが高いように思える。そんなにたくさんの記号を覚えることなどできない…。

「そんな方のために、パスワードの管理ができるアプリが用意されています。パソコンにもスマートフォンにも使用できるので、そちらを活用することをお勧めしています。そして、3つ目にお伝えしたいのが、公共Wi-Fiの接続には十分に注意を払いましょうということ。できるだけセキュリティのかかっているWi-Fiを使用するのが望ましいのですが、例えセキュリティがかかっていても、ホテルのように部屋番号などから簡単にIDやパスワードが類推されてしまうような環境の場合には、注意が必要です」

便利なWi-Fiを使用できないのは、非常につらいところだが…。

「通信を暗号化するアプリが用意されているので、こちらを活用すると良いでしょうね。そして、当然のことながら詐欺メールに警戒することです。知らない人から届いたメールをむやみに開かない、そこに記載のあるURLをクリックしない。以前は、いかにも外国人が書いたような“奇妙な日本語”のメールが多かったのですが、最近では日本人が監修しているせいか、しっかりした文体になっている例も多い。内容まで読み込んで詐欺メールかどうかを判断する必要があります」

そして5つめは、やはりセキュリティソフトの利用だ。先に述べたように、Wi-Fi接続をして使用するスマートフォンこそ、インストールしておくべきなのだろう。

「現在は、ほとんどの製品がマルチOS対応で、ソフト1本で3台ぐらいまで使用可能となっています。自宅のパソコン、スマートフォン、タブレットまでご使用いただけますね」

今後も、セキュリティの重要性を啓蒙し続けていきたいという古谷氏。自分の個人情報がだだ洩れになってしまう前に、我々も、しっかり対策すべきなのであろう。他力本願せずに、自分の身は自分で守るのが望ましい。

文/構成/取材 

参考資料:

「ノートン サイバーセキュリティ インサイト レポート」

https://japan.norton.com/info/pr/NCSIR_2017_20180214.pdf

「内田理央さん登場!ノートン サイバーセキュリティ インサイト レポート」