日本初のIoTウォーターサーバー仕掛け人に聞く! 異例のスピードでサービス実現化を成し遂げた理由とは

富士山の銘水株式会社(http://fuji-meisui.co.jp/)が2018年12月にサービスを開始した日本初のIoTウォーターサーバー『FRECIOUS(フレシャス)』。実はこのサービス、開発計画が立ち上がってから、なんと10ヶ月でサービス開始にこぎつけたという。異例のスピード開発について、2月14日に東京・ベルサール新宿グランドで行われた株式会社ソラコム(https://soracom.jp/)主催のIoTプラットフォームのセミナーイベント「if-up2019」にゲストスピーカーとして登壇した同社開発部の溝内竜士部長に直撃。どのような経緯や目的でウォーターサーバーのIoT化を進めたのか、開発秘話を伺った。

わずか10か月という開発期間に立ち向かうプロジェクト

「機器をIoT化してアフターフォローに活かす」と題したステージには、富士山の銘水・溝内氏と、今回の開発プロジェクトにIoT化の面で大きな役割を果たしたソラコムのソリューションアーキテクト・松本悠輔氏が登壇。日本初のIoTウォーターサーバー『FRECIOUS』の開発背景について溝内氏は、同社のビジネスモデルが変化してきたことを挙げ、ウォーターサーバーに関してはレンタルでのサービス提供がメインだったのが、最近ではレンタルと販売が半々になっていることを説明。

さらにサービスにおける懸案事項として、顧客が水ボトルの買い忘れや買いすぎといった問題が発生しているという。


富士山の銘水 溝内氏

こうしたウォーターサーバーのビジネスモデルに、IoTを活用して最適な自動再注文方式はないか模索していたとき、2018年2月にAmazonから日本国内で自動再注文サービス「Amazon Dash Replenishment」への参画を呼びかけられたそう。Amazonの国内サービス開始が2018年12月。わずか10ヶ月ほどの開発スケジュールという難題に、IoTプラットフォームのシステム構築に実績を持つソラコムをパートナーとして立ち向かっていくことになったという。


ソラコム 松本氏

ソラコムの松本氏は、ウォーターサーバーの自動再注文システムに必要なデータ量はさほど多くなく、しかも10ヶ月という開発期間やコストなどを考慮し、3Gモジュールを利用したIoTシステムを提案する。「4G LTEやWi-Fiといったシステムを使うことによるコストを、3Gモジュールを採用することで抑制できる」(松本氏)と判断。3Gモジュールの採用は、システムの簡素化も可能となるため、開発スピードを高めるという狙いもあったという。

とは言え、10ヶ月というのはソラコムにとっても異例だったという。しかも富士山の銘水サイドは、溝内氏をはじめプロジェクトメンバーすべてが「IoTに関しては、まったくの素人」(溝内氏)だった。

サービス開始にこぎつけたのは良好なチームワークがあった

IoTウォーターサーバーの開発体制は富士山の銘水(開発部およびシステム部)とソラコムのほか、韓国の電子基板やセンサーメーカー、サーバー製造委託会社と、3Gモジュールメーカー。開発を進めていく上で問題が発生すれば、すぐに各箇所の担当全員を招集し、膝を突き合わせて課題解決に取り組んだという。松本氏は「IoT未経験者がほとんどなのに、わずか10ヶ月で形にできたのはすごいこと」と話し、溝内氏は「このプロジェクトを立ち上げることができたのは、ソラコムさんと二人三脚で進めながら、各プロジェクトメンバーと密に連絡を取ることでチームワークが良くなったことが一番の理由」と答えた。

2018年12月にサービスが開始されたばかりのIoTウォーターサーバー『FRECIOUS』。「まだ3ヶ月なのでこれからという段階だが、AmazonのレビューアーにもIoTウォーターサーバーの利便性が訴求できてきている。今後は自社製の他サーバーへの横展開や海外へのIoTウォーターサーバーの展開、さらにWi-Fiや4G LTEといった各種通信環境への対応を進めていきたい。また、将来的にはウォーターサーバーを通じたIoTネットワークを活かして、見守り機能など顧客サービスの拡充に展開していければ」と溝内氏。

また、IoTウォーターサーバーの意義についてソラコムの松本氏は「スマートホームの一環として、日本初のIoTウォーターサーバーは製品的に大きな意味がある。人間が煩わしいと感じている作業を機械がやってくれるというのが基本的なスマートホームの考え方。その先陣を切ったのが、この『FRECIOUS』だと言っていい。水ボトルの発注や交換、メンテナンスが面倒だというウォーターサーバーのネガティブなイメージを解消するサービスだと思う」と話してくれた。

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